第17回日本慢性看護学会学術集会 会長
山梨県立大学看護学部/大学院看護学研究科
米田 昭子
新型コロナウィルス感染症の拡大が続くなか、保健・医療・教育に携わる皆様におかれましては、多大な創意工夫をされ、それぞれの役割を十二分に果たすべく尽力されていることに対しまして心より敬意を表します。
さて、この度、2023年9月2日(土)~3日(日)に川崎市の会場で、また、9月2日(土)~30日(土)にWEBで、第17回日本慢性看護学会学術集会を開催いたします。
日本慢性看護学会は、2006年に設立しました。慢性病の人々への看護実践を担う臨床家、慢性看護を追求する教育・研究の場で活躍する会員により構成され、会員数、および学術集会参加者は、年々、増加し、発展し続ける学会として位置づいています。そのような中、学術集会の開催を担うことができ、大変、光栄に思っております。
私の職場は山梨県甲府市にあります。大学構内から見上げる空は、真っ青で、太陽が輝いています。遠くには、富士山、南アルプスの山々が穏やかに私たちを見守っています。皆様にもぜひ、このようなすばらしいところに来ていただきたいという思いはありますが、今回は、日本全国から、陸路、空路のどちらのアクセスも良い川崎市に会場を設定しました。また、臨床で活躍されている看護職の皆様におかれましては、地域を越えての参加は、難しい状況が続くと予想されること、さらに、慢性看護に興味、関心のある様々な環境にある多くの方々にご参加いただくことができるようWebを併用した開催といたします。
学術集会テーマは、「『Chronicity』とどうかかわるか・・・未来の人のために」です。今、我々は、決して、ゼロにはならないであろう新型コロナウイルス感染症とどのように共存して暮らしていくか、感染の後遺症にどのように対処していくか、ということに直面しております。このことは、“長く続く”“終わりの見えない”“曖昧な”“不確かな”という言葉で言い表すことができ、慢性看護の核である『Chronicity:(慢性性)』と通じるものではないでしょうか。すなわち、コロナ禍であるからこそ、我々、慢性看護に携わる者の果たす役割は大きいと考え、本テーマといたしました。『未来の人』とは、今を生きる人、これから生まれて来る人、全ての人々のことです。今を生きる私たちは、明日においては未来の人でもあります。
本大会が、基調講演、教育講演、シンポジウム、ワークショップなどを通じ、今と、未来の自分も含めた人々のために『Chronicity』とどのように関わっていくかを考え、地域、臨床、教育、研究における慢性看護の歩みをすすめる推進力となればと願っています。
基調講演、教育講演、シンポジウムはすべて、ライブ配信及びオンデマンド配信を行い、会場参加後にも再度、視聴することができます。また、一般演題は、すべて、オンデマンド配信とし、すべての演題を視聴することが可能です。交流集会は、会場での対面、または、オンデマンド配信とし、企画者の希望で選択できるようにいたしました。対面での交流集会は、参加者が限定されることは否めませんがその分、臨場感あふれるものになると期待しております。
先の見えない曖昧な中に身を置きながらも、未来にもある可能性を信じて、学術集会が開催できるよう企画委員全員で頑張ってまいります。皆さまのご参加をお待ちしています。
本大会の開催に際し、多くの皆様のご支援、ご協力を受け賜りましたことに心から感謝申し上げ、第17回日本慢性看護学会学術集会の成功と日本慢性看護学会の発展を切に願いまして、開催のご挨拶とさせていただきます。
2023年1月 吉日